007/Casino Royale~007/カジノ・ロワイヤル~ | ☆Rusty's Cinema & Muzik Complex☆

007/Casino Royale~007/カジノ・ロワイヤル~


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
007 カジノ・ロワイヤル デラックス・コレクターズ・エディション(初回生産限定版)(2枚組)


007/Casino Royale
007/カジノ・ロワイヤル


About The Movie
 原作小説1作目を映画化したシリーズ第21弾


 今回、6代目となるジェームズ・ボンド役は「レイヤー・ケーキ」や「ミュウヘン」、「トゥーム・レイダー」のダニエル・クレイグ。共演はフランス人女優で「キングダム・オブ・ヘブン」や「ルパン」、「ドリーマーズ」などに出演のエヴァ・グリーン、「しあわせな孤独」や「フレッシュ・デリ」、そして「キング・アーサー」でハリウッド・デビューしたマッツ・ミケルセン、「恋におちたシェイクスピア」や「ショコラ」、「リディック」のジュディ・デンチ、「シャフト」や「バスキア」、「レディ・イン・ザ・ウォーター」のジェフリー・ライト、「ハンニバル」や「雲の中で散歩」、「マイ・ボディガード」のジャンカルロ・ジャンニーニなど。


 監督は「レジェンド・オブ・ゾロ」や「バーティカル・リミット」、「すべては愛のため」のマーティン・キャンベル。彼は「007/ゴールデン・アイ」でも監督を務めているので今回がシリーズ2回目の監督となる。更に今作の脚色はアカデミー作品賞「クラッシュ」や「ミリオンダラー・ベイビ」などを手がけたポール・ハギスが担当。
 
About The Story
 英国諜報部MI6のスパイであるジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)がその腕を認められ、‘00’の地位に昇格する。最初の任務は国際テロ組織のネットワークを絶つ任務を課される。テロ組織の資金源である組織の元締めであるル・シッフル(マッツ・ミケルセン)と接触するため、マダガスカルに潜入。情報を手に入れて、バハマ、マイアミなどに渡りコネクションを探るボンド。財務省から送られてきたヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)とモンテネグロに潜入したボンドはそこでル・シッフルと遂に対面し、膨大な額が動く「カジノ・ロワイヤル」で危険なゲームを始める・・・。


Daniel Bond on Mirror
6代目ボンドはダニエル・クレイグだ!


Commentary, etc・・・&Grade Of This Movie
 前作、「ダイ・アナザー・デイ」から4年経ってのシリーズ最新作!しかもピアース・ブロスナン降板劇から様々な憶測や噂で右往左往し、初の金髪ボンドとなるダニエル・クレイグが就任。決まった当初はボイコット運動まで巻き起こるという騒ぎにまで発展。


正直、ダニエル・クレイグに決まった時は彼の過去のイメージ(髪型などの容姿)から「ん??」って感じました。が、誰が何を言っても自分でちゃんと映画を観てから評価をしようと決めてました。いつも映画を観る時でもそうなんですが、自分の好みもありますし、漠然とした人の評価を当てにしないからです。周りに一々流されていたら、映画とかって観れませんからww


 原作の1作目にあたる今作。今回描かれるのはジェームズ・ボンドが007になって、初めての任務をこなしていくというストーリー。今までのボンドとは違い、まだまだ荒削りでワイルドで人間臭い一人の男として描かれています。そういうイメージ自体、ダニエルにかなりマッチしていてイイ感じ!今回の役の為に毎日筋トレをしてきたというだけあって、かなりワイルドな雰囲気が漂います。


 今までのボンド・ムービーで描かれたボンドはプレイボーイで上品で・・・という感じでしたが、今作は一味も二味も違うんです。初めて本気で愛する女性が登場しますし、人間的な部分がしっかりと描かれ、葛藤する姿も見られるのです。色んな考え方があるでしょうが、僕が見た感じでは完全な仕切りなおしに思います。


 今回は早々に作品の評価を


《 評価:S 


 公開前から様々な意見があったのですが、観た方はかなり驚いたハズ!それまでの噂や憶測なんか吹き飛ばす程の上出来!!各方面からの評価もかなり高いです。作品自体のクオリティの良さはドラマ性の高さ、アクションのテンポ、ロマンス部分の描き方など色んな部分で絶妙なバランスを見せているから。


 ダニエルの演じるボンドはショーン・コネリー以来の衝撃とまで言わせるだけあって、質がいいです。正直な意見ですが、これまでブロスナンのボンドが一番好きだった僕も動きましたww


とにかくカッコイイですから、ダニエルのボンドは!キレがあるし、色んな表情を見せるし、ワイルドだし、人間臭いし。髪型も短くして、今まで誰も見た事がないボンド像をものの見事に叩き出しましたね。


Casino9
ジュディ・デンチは素敵な女優さんですねぇ~星

 “M”を演じたジュディ・デンチがまたかなりイイ感じ。「ゴールデン・アイ」から登場shちえいますが、彼女には不思議な魅力がありますし、演技が上手い!今までで一番ボンドと絡んだのではないでしょうか。段々とお互いに信頼関係を築き上げていく過程があるので当然ではありますが。ダニエル・クレイグがかなり彼女に興味を持っているのも分かる気がする。素敵な女性ですねぇ~。


 今作は自分の中でかなりの大ヒット。今まで観てきた映画の中でもかなり上位に位置づけられました。こんなに何回も観たのは久々!!


劇場、試写会含めて7回も鑑賞してしまいましたからぁーチョキ


Stealth Mode/ネタバレ区域 
 今回もご存知、ステルス・モードを使ってRustyなりの意見をお送りします!
いつも通り、ネタバレを見たくない方はスルーしてくださいね!!


ご覧になりたい方はドラッグして文字を反転させてくださいねっ☆
出来る限り、映画の進行に沿って細かく書いてますから~!!

 では、ここからブッチギリのスタートです!!

↓↓↓ココから「ステルス・モード↓↓↓


 さぁ、今回も遊びに来ていただいて有難う御座います!


さてさて、早速ですがこの「カジノ・ロワイヤル」のオープニングに注目!

毎回、007シリーズはオープニングからかなりのクライマックス・シーンを展開しますが今回は今までとは違います!初のモノクロ!!!しかもかなり静かに始まるのがイイ感じです。プラハにいるMI-6内部の裏切り者を始末するために登場するボンド。静かな会話の中にボンドの最初の殺しの回想が含まれていて、派手ではないのに惹き付けられる!!この回想の中で格闘して敵の頭をを洗面台に押さえつけるシーンではボンドの表情に注目。簡単に殺してる感じではなくて、妙に切ない顔をします。この辺りから既に人間味がある雰囲気。


そして「あれ、いつものガン・バレルのシーンはどうなるんだろう?」って思った瞬間、決めてくれます!振り向きざまに新たなガン・バレルのシーンが登場!!!これだけでも今までとは全く違うボンドが楽しめますww



Casino Gun Barrel

ダニエル版ボンドの初のガン・バレル・シーン祝日


 タイトル・ロールもいい意味で何処か古臭い感じがたまらない!ホント、古き良き時代の映画に戻ったようです。ある意味、原点に帰って完全リニューアルした作り。カードが飛び交い、シルエットのボンドが戦うという一見シンプルでオサレ(オシャレ)なモノ。それが逆に新しくて味がアル。しかも、途中でクィーンの顔に照準が当たると一瞬だけヴェスパー(エヴァ・グリーン)の顔が映るのがオシャレ!気が付いた人もいたことでしょう。


 ウガンダのシーンではコンスタントにル・シッフルの人物像が明かされます。この時にMr.ホワイトも出てきて、悪役の面子をフラッシュで紹介するような流れ。テロのお金を“洗濯”して、増やして返すというのがル・シッフルの仕事。あまり無駄がないシーン展開で端的にキャラ紹介してくれます。


Casino1
初任務で爆弾魔を追うボンド。


 マダガスカルでは“00(ダブルオー)”に昇格したボンドの初仕事が描かれます。謎の爆弾魔、モロカ(セバスチャン・フォーカン)を捕らえるハズが逃げられるので激しいチェイスが始まります。ここでのアクション・シーンはかなりテンポが良く、CGなどではないライヴ・アクションが展開。ボンドが仲間とのやり取りをする際に仲間がインカムを着けた左耳を押さえると、「耳を触るな!」というシーンがありますが、こんな些細なシーンでもプロっぽさを表していて実にいい。


Casino2
ジャッキー・チェンにも負けない動きグッド!


モロカとボンドが走る走る!!今では世界的に知られるようになったエクストリーム・スポーツ「バルクール」の第一人者であるセバスチャンの動きがとにかく早くてスゴくて目が離せない。「バルクール」とは劇中のように走ったり飛んだり登ったりするのを肉体だけでこなすもの。要するにワイヤー・アクションなどではないのです。ボンドもまたスピーディ!今までで一番若いボンド(38歳ですから!)だけに、ワイルドで動きも早くてパワフル!!一連の流れを見ていたら、「まるでジャッキー・チェンの映画みたい」って感じましたww


モロカを追い込んだナムブツ大使館のシーンを見ていて思ったのは「なんかマーティン・キャンベルらしいなぁ」ってこと。マーティンは「ゴールデン・アイ」に続いて今回が2度目のボンド映画。警護の兵士に乱射され、窓ガラスが飛び散る中を走るボンドは「ゴールデン・アイ」の中盤のロシアの図書館のシーンとダブりました。同じように感じた方、いません??


Casino5
知られざる謎が明かされますよぉ~クラッカー


 今作ではMの自宅が初めて登場!ボンドが忍び込んでいて、帰宅したMと会話するのですがここではMのキャラクターが上手く描かれています。ボンドに対して声を荒げるあたりはまだ信頼関係が出来ていない感じで新鮮。残念ながらMの本名は出てきませんが、それとなくニュアンスを漂わせる会話が面白い。いいセリフもありましたねぇ。ボンドがMに言う「Well, I understand double Os have a very short life expectancy. So your mistake would be short left」は個人的に名ゼリフの1つとカウント!


 バハマに移動したボンドはレンタカーのフォード・モンデオでオーシャンズ・クラブへ。今までのボンドとは違い、白い半袖シャツというラフなスタイルを見せてくれます。今作のボンドはまだ完全にソフィスティケートされた感じではないのでラフなスタイルが多いのも見所。Pコートやアロハ系のシャツ、ポロシャツなどを着こなしてます。また、海水浴客を装ってディミトリアスを監視する際、ボンドは見事な肉体美を披露!この登場の仕方はシリーズ1作目、「ドクター・ノオ」でハニー・ライダーが登場したシーンを彷彿させます。


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DB5の秘密も明らかに!


 バハマではなぜボンドが「アストン・マーチン」に乗り始めたかが解明。あれは人の車だったんですねぇー。ポーカーで勝負し、勝ったボンドがディミトリアスから頂いてたとは。これがきっかけで「アストン・マーチン/DB5」に乗るようになっていったワケですから。しかも、シリーズ初の左ハンドルが登場!今までは右ハンドルしか出ていませんでしたから。    


 ボンドがディミトリアスに近づく為に彼の妻、ソランジュと接触。ディミトリアスを追う為に彼女を置いていく際にはいつもボンドが飲むシャンパン、「ボランジェ」が登場。その中でもヴィンテージの「グラン・ダネ」をオーダーし、キャビアも一緒にオーダーしていくあたりがボンドらしい。


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ボンドは人妻がお好き・・・キス


 マイアミまでディミトリアスを追うボンドはここでもまた派手なアクションを展開!「スカイフリートS500]を爆破しようとするテロを食い止める為、また走るボンド!更に敵の乗ったタンクローリーに飛び乗り、スピーディなアクションが堪能できます。今回のボンドはめちゃ足が速い。パトカーがタンクローリーを追い、車内で乱闘するボンドら。飛行機の着陸寸前のところを走りぬけ、飛行機のジェットエンジンの風圧でパトカーが飛ばされるシーンもド迫力です!!実はこの一連のシーンはマイアミではなくイギリスで撮影されてます。サリー州、ギルドフォードに近いダンス・フォールド空港で10週間もかけて撮影。更にボンドがターミナル・ビルから駐車場に敵を追いかけるシーンはプラハ空港で撮影されたそうです。


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ダニエルがスタントなしでチャレンジ!



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危うし、ジェームズパンチ!


 マイアミの一件を片付けて、バハマに戻ったボンドの顔には無数の切り傷が!今まで、色んな戦いで怪我をするボンドの姿を見ていますが、大体はスグに治ってる。でも、今回はちゃんと傷があるまま次のシーンが出てくるので妙にリアリティがあるんですよぉ。


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今までには見れなかった部分が見れてしまうヒミツ


 モンテネグロに移動する列車の中でヴェスパー(エヴァ・グリーン)と初めて対面するボンド。ここでも会話に注目。ポーカーの話からお互いの素性まで話していくあたりがファン泣かせ。ボンドは確かに子供の時に両親を事故で亡くしてますのでそういう部分を知っているファンならニヤッとする場面かも。知らなかった人でも彼のことをもっと知りたくなるシーンだと思います。


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今回のボンド・カーはコレ↑

『Aston Martin DBS』車


 モンテネグロに到着し、ホテルのフロント係から渡された封筒に今回のボンド・カーである「アストン・マーチン DBS」の鍵などが入ってます。渡されてスグに車に向かうボンドはここで銃を手に入れます。銃は「トゥモロー・ネバー・ダイ」の後半から使用しているワルサーP99を使用。もう完全にこれに定着してますね。以前は同じワルサー社の「PPK」でしたが時代の流れで変わりました。「ドクター・ノオ」の前半でベレッタ社の銃からワルサーに変わり、今も続いています。



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今回もワルサー社のP99を使用手裏剣

 ポーカーでの戦いを前にホテルの部屋で着替えるボンド。「ゴールデン・アイ」以降、ボンドのスーツは「ブリオーニ」社製。ハンドメイドの老舗で有名人の間でもよく知られているメーカーです。今回はボンドのタキシードがそのブリオーニ社製。お値段は約74万円程!!ドレス・シャツは英国の老舗「ターンブル&アッサー」のもので約7万円するとか。かなりビックリ!!ディナー・ジャケットを渡されたボンドはヴェスパーにどうして自分のサイズの物があるのかを聞きますが、すんなり目で測ったと答える彼女。面白いやり取りの1コマ。


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高級タキシードに身を包むボンドはカッコイイ王冠2

 【カジノ・ロワイヤル】でのポーカーのシーンはなかなか面白いのですが、ルールを知らないと分からないトコが多いのも事実。出演者らは事前にちゃんとポーカーの練習をスタジオで行ったりしてましたから、かなり本格的なプレー。ポーカーにも色んな種類があり、この劇中に登場するのは「テキサス・ホールデム」というメジャーなゲーム。まず最初に各プレイヤーに2枚のポケットカードが伏せて配られ、次に3枚のコミュニティカード(共通カード)がテーブル上に表向きに配られます。以降2回のベットラウンドで新しいコミュニティカードが配られます。ポケットカードにこのコミュニティカードと合わせた7枚のカードで競うゲームなのです。原作の「カジノ・ロワイヤル」ではバカラだったのですが、映画ではポーカーに変更されています。


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高額な掛け金が動く白熱のポーカー戦クラブダイヤ




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果たして、ル・シッフルが勝つのかハートスペード


 ポーカーの最中、ボンドがオーダーするカクテルは彼がいつもチョイスする「ウォッカ・マティーニ」。オーダーの仕方が細かいので今頃になって急に「あのカクテルは何?」って言う人が増えたそうです。本来、マティーニはジン・ベースで作るのですがそれをウォッカで作らせて、ステア(混ぜる)のではなく、シェイクさせるのです。今では劇中のセリフにちなんで『ヴェスパー・マティーニ』と呼ぶそうです。レシピはゴードン・ジンを3、ウォッカを1、ベルモット(キナ・リレ)を1/2、それをシェイクして最後にレモン・ピール(皮)を入れるのが彼のスタイル。


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初めてスパイとしてのボンドを見るヴェスパーえっ

 ル・シッフルから金を取り戻しに来たテロリスト、オバンノらに襲われたボンドとヴェスパー。階段での格闘シーンはかなり迫力があります。オバンノのマシェット(鉈)に対してボンドはタキシードを腕に巻いて応戦。このシーンを見てるときは「あ~あ、74万のタキシードがぁ。あ~あ、7万のシャツが血まみれだぁ・・・」とかいう貧乏な感覚で見てしまいましたww



 部屋に戻ったヴェスパーがシャワー・ルームでうずくまり、ボンドが寄り添うシーンがなんとも切ないしいとおしく感じます。初めて殺しの現場を見たヴェスパーはショックで「指に付いた血がとれないの・・・」と。ボンドが寄り添って、濡れながら彼女を抱き寄せるあたりは今までの作りとは全く違い、女性にも受け入れられる切ない名シーンになるのではないでしょうか。個人的にはかなりお気に入りのシーン。


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人間味溢れる上質な1シーン恋の矢

個人的にかなりお気に入り!


 ボンドがル・シッフルの恋人、ヴァレンカに毒を盛られた為にグラスとあるものを持ってトイレに駆け込みます。グラスと一緒に持っていったのはおそらく食塩。即席の食塩水で解毒を試みたものと考えられます。食塩水には解毒作用がありますので、応急措置としては効果があると思われます。その後、アストン・マーチンに向かい、MI-6と連絡をしながら自己治療するシーンでボンド・カーの仕掛けが登場!とは言っても、今回は大掛かりな仕掛けは無く、銃と治療用の道具しか入っていません。これも新鮮でリアリティがある感じで良いのではないでしょうか。


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ヴェスパーを助けに向かうボンドのDBSあせる


 そのボンド・カー、「アストン・マーチン DBS」はかなりあっさり破壊されます。拉致されたヴェスパーを助ける為に敵を追いかけるボンド。が、ヴェスパーが道路上横たわっていたのでそれを避けて大破!!ナント、7回転もしてしまいます。実はこのシーン、ギネスブックに登録されたそうです。今までは6回転が最高記録だったそうですが、このシーンでは7回転し、記録更新を果たしたのです。それにしても、約3000万円の車をあっけなく壊してしまうなんて、ゴージャス過ぎる!!


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↑ギネス・ブックに載った記録がコレベル

 ル・シッフルに囚われたボンドが拷問されるシーンがかなりインパクトありです!色んな拷問シーンがありますが、今作の拷問シーンはかなり印象的でリアリティがあります。このシリーズの中だけに限らず、様々な映画の拷問シーンの中でも歴史に残るのではないでしょうかねぇ。ものスゴく基本的でありながら、男性には効果的な拷問。ボンドが気絶するのも分かります。そんな中でもユーモアがあるのがまたボンドらしいww



 静養所で意識が回復したボンドを見守るヴェスパー。カジノで勝った賞金の送金の際に暗証番号を聞いて心が動かされるヴェスパー。暗証番号が「Vesper」と聞き、涙ぐみながらボンドに話しかける姿が妙に切なく感じます。ここで初めてお互いの心が近づきますから。この時、ヴェスパーの衣装にも注目。グリーンのワンピースに同系色のアジア風なピアスをしています。女性なら気が付いた方も多いと思いますが、衣装などで楽しむのも映画の鑑賞の仕方の1つです。


 二人はその後、ビーチで有意義な時を過ごします。ここでボンドは自分の本心をヴェスパーに打ち明けます。初めて本気で愛した女がヴェスパーなのですから。このシーンも含めて、今回のボンドはサービス旺盛!バハマでも水着を披露しますし、拷問シーンでも裸を披露。女性ファンが沢山増えるのではないでしょうかねぇ~。


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かなりいい体格してまっせーww

女性ファンが増えるだろうなぁーキラキラ


 ヴェニチアにヨットで移動したボンドとヴェスパー。水の都としても有名なのでヨットでの移動が似合いますよねぇ~。今回は特別許可を受けてグランド・キャナルで実際に撮影されています。ヨットがここを通るのは数百年ぶりなんだとか。ヴェスパーの衣装もどこかイタリアン・テイストで雰囲気にマッチしています。また、ボンドはタイトなTシャツに「Persol」社製のサングラスというラフなスタイル。今回のワイルドで荒削りなボンドもかなりイイ感じです。


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お互いの本当の気持ちを確かめ合う・・・ラブラブ


 つかの間の休息を過ごしていた二人。が、ヴェスパーがボンドを裏切っていたコトに気が付いたボンドは尾行し、取引する現場に遭遇。壮絶なクライマックスとなります。ヴェネチアの街にある1軒の水上住宅が崩壊する中でのアクションは圧巻!実際にある家とボンド映画では欠かせない「パインウッド・スタジオ」の両方で撮影されていて、外観だけは実際の家を撮影。全く同じものをスタジオに作り、これを見事に崩しています。家の中での戦いのシーンやボンドが最後にヴェスパーを救い出そうとする水中シーンもパインウッド・スタジオで撮影。CGではないところがスゴいし、ライブ・アクションを感じさせてくれます。本物の迫力はやっぱイイですねぇー!!!


Casino17
ボンドがそこで見たモノは??


 ヴェスパーを失ったボンドはここから人を信じなくなっていく。作品が進むにつれて段々と今まで見てきたボンドに近づいていきます。Mから本当の理由を聞かされたボンドの表情は切なく、冷たくも感じます。ヴェスパーが残したバッグの中には二人が過ごした海辺で拾ったと思われる貝殻も。ここでボンドはまた心を閉ざしてしまう、といったところでしょう。



Casino22
壮絶なクライマックスはCGナシ爆弾

 エンディングはコモ湖にあるMr.ホワイトの自宅。帰宅したホワイトに電話が入り、足を狙撃されます。そして現れたのはボンド。ここでやっと恒例のシーン!映画好きな方々や007シリーズが好きな方々ならご存知のアノ名セリフ!「The name is Bond, James Bond.」が最後の最後で聞けます!これが一番最初のボンドの姿って感じで鳥肌モノ!その後にモンティー・ノーマン作曲のあの有名なサウンド、「ジェームズ・ボンドのテーマ」で締めくくる!実にオサレですよねぇ~。今回もデビッド・アーノルドが曲を担当。オリジナルのサウンドに若干アレンジを加えてゴージャスな終わり方を演出。


 観終わって、「あれ、ここで終わりなのぉ??」って思った人、多いでしょう。これまでのシリーズは1話完結でした。が、プロデューサーのマイケル・G・ウィルソンは今までとの違いをコメントしています。「これは全てを最初から創り直すつもりで臨んだ作品。今作は過去のシリーズから切り離して観て欲しい」と話していましたが、その通り!次回の22作目は続編として作られるそうです。仕切り直しっていう感じがまた斬新。



 エンドロールの最後にはちゃんと「James Bond Will Return」の文字が出てきますので、ちゃんとチェックしてくださいねー!映画は完全に終わるまでが映画ですから!! 


↑↑↑ココまでが「ステルス・モード」↑↑↑


 今回のテーマ・ソングは久々の男性ボーカル!15作目の「リビング・デイライツ」のa-ha以来なんですねぇ~!!今回はクリス・コーネルが歌う「You Know My Name」が主題歌。残念ながらオリジナル・サウンド・トラックには未収録。しかも、映画公開前から流れていたPVと映画に使われてるバージョンは違うんです。映画バージョンではこのシリーズの音楽を担当しているデビッド・アーノルドが参加して共同で作ってるので豪華。


ちなみにこの曲、海外ではシングルCDで発売されていますが、日本では未発売。かなりいい楽曲に仕上がっていて、「“ゴールド・フィンガー”以来の名曲」とまで言われています。

↓欲しい方はココで!!

Chris Cornell
You Know My Name

聴いてみたい方は↓をクリックしてPVでどうぞ~。音譜

「You Know My Name」のPVをご覧いただけます(YouTube)。


 まだ映画が公開されていない時点で既に次回作の話が出ていたのですが、公開は2008年の11月頃に公開予定。その第22作目、通称「ボンド22」のストーリーは、原作者イアン・フレミングが60年に発表した短編集「バラと拳銃」に収録されている「危険」(原題:Risico)をベースにしたものになるとのこと。


 「危険(Risico)」はイギリスにヘロインを供給する麻薬組織を壊滅させるために、ボンドがイタリアに派遣されるというストーリー。「危険」のストーリーやキャラクターの一部は、すでに「007/ユア・アイズ・オンリー」や「007/美しき獲物たち」で使用されていますが、「ボンド22」では「危険」をベースに同短編集に収録されている他の短編の要素を織り交ぜてストーリーが構成されるようです。また、「ボンド22」は「007/ダイ・アナザー・デイ」までの過去のボンドシリーズのように1話完結スタイルではなく、この「007/カジノ・ロワイヤル」の続編になる予定だとか。


 それを示すように同作の脚本家ロバート・ウェイドは「『カジノ・ロワイヤル』で完結していないボンドの心の流れを、キャラクターが破綻しないように次回作で描かなければならない」と語っており、ヴェスパー・リンドを演じたエバ・グリーンは「劇中で言及された、あるキャラクターが次回作の悪役になるかもしれない」と明かしています。「ボンド22」の撮影は今年の後半に開始される予定です。


ちょっと舞台裏
 このシリーズのプロデューサーであるマイケル・G・ウィルソンは今作でもカメオ出演してます。ボンドとヴェスパーがモンテネグロに到着し、アストン・マーチンDBSに乗って連絡係のマティスに会いに行くシーン。マティスが根回しして、地元の警察署長を逮捕させるのですが、その警察署長がプロデューサーのマイケル・G・ウィルソンなんですよぉww


 今回はシリーズ初のソニー・ピクチャーズ配給作品ということで様々なソニー製品が劇中に登場。ボンドが使う携帯は「ソニー・エリクソン」のM500。海外では限定販売もされています。この他にもソニー製のPC「Vaio」やDVD-Rもソニー製。パソコン


 ボンドが使う時計として有名な「オメガ」はもちろん今回も登場。しかも今作では2種出てきます。今回は比較的にスーツよりもラフでオシャレなスタイルが多いボンドに合わせて、「シーマスター・プラネットオーシャン」が登場!バハマのシーンなどで見られます。そしていつものように「シーマスター・プロダイバーズ」ももちろん登場。モンテネグロへ移動する電車の車内でヴェスパーが時計の話をし、ボンドが「オメガ」と答えるところがニクい!


 初のブロスナンのボンド役が話題になった「ゴールデン・アイ」から前作の「ダイ・アナザー・デイ」まで使われていたボンドの靴は「チャーチス」のもの。今作ではイギリスの老舗である「ジョン・ロブ」に変更されています。1849年に創立したシューズ・メーカーでイギリスの最高峰と言われています。どこまでも高級だぁー宝石ブルー


 当初、今作の敵は宗教的なテロを設定していたそうですが、ダニエル・クレイグの意見で変更になったそうです。今のご時世を考えてのことでしょうけど、宗教的なテロというのは避けた方がいいとアイディアを出し、変更されたんだとか。ヘタなコトを映画で描くと悪い影響もありますからねぇ~。


関連作からCDまで色々と楽しんでくださ~いCD

Inc. Dorling Kindersley, Greg Williams
Bond on Set: Casino Royale
David Arnold, Isobel Griffiths, Nicholas Dodd, Derek Watkins
Casino Royale [Original Motion Picture Soundtrack]
サントラ
「007/カジノ・ロワイヤル」オリジナル・サウンドトラック
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
007 アルティメット・コレクション BOX